人はなぜ怒るのか
“怒っている人を見て「怖いな」と感じた”“怒りの感情が沸いても嫌われたくなくて我慢してしまった”“後から過去の出来事を思い出してイライラしてきてどうしよう…と困った”という経験はないでしょうか?怒りなんてマイナスなことばかりだからなくなればいいのになと思うかもしれません。
しかし実は、怒りという感情は、自分の人格や価値観、大切なものを守るために必要な感情なのです。
人や物を傷つけるような怒りの出し方はよくないですが、正しく怒りを出すことは自分を守るためになります。
怒りはどこからやってくる?
怒りは期待と現実の差からやってきます。
「こうするべき」「こうしてほしい」などの期待に対して現実で裏切られたとき、イライラするのです。
例えば、あなたが人は誠実であることが正しく、誠実であるべきだと思っていた場合、誠実でない人を見るとイライラするのです。
このような価値観は人によって違い、自分が生きる中で得ていくものです。
また、期待にも小さな期待と大きな期待があり、小さな期待は「毎月決まった額貯金をする」、「早寝早起きをする」などで、大きな期待は「約束は守らないといけない」「嘘をついてはならない」などです。小さな期待はじぶんだけができていればよい内容ですが、大きな期待はほかの人もできていないと嫌だという内容です。そのため大きな期待は裏切られるとイライラするのです。
怒りの伝え方
怒るとはいっても、もちろん怒鳴ったり睨んだりすればいいということではありません。
怒り方にはポイントがあります。
1つ目は冷静に伝えることです。
感情的に怒りを表現すると、相手と言い合いになったり言わなくてもいいことを次々と言うようになったりとメリットがありません。
あくまで冷静に伝えることで、自分の心へのダメージを軽減させることが大切です。
2つ目は、「私はつらかった」、「私は悲しかった」というように主語を自分にして話すことです。
自分の感情を素直に口にすることで、否定してきた相手には少なからず申し訳ない気持ちが生まれます。
また、主語を私にすることは相手を過度に責めずに話を進めるためにも重要です。
3つ目は、相手の意見をきくことです。相手の言い分もきくことで、本当はそういうことを言いたいわけではなかったという誤解が解ける可能性もありますし、言い過ぎたなと思ってもらえる可能性もあります。
嫌われたくない人はどう怒ればいい?
人に嫌われたくなくて、イライラしても我慢してため込んでしまうことってありますよね。
周りの人を気遣いすぎて我慢してしまう気持ちはわかりますが、溜め込むと大きなストレスになります。
そんな時は、まずは小さい怒りを表現してみましょう。
例えば、「それはあまり好きじゃないかな」「その言い方は心が痛むな」と柔らかい言い方で相手に自分の気持ちを伝えましょう。
これだけで立派な怒りの表現になります。
また、クッション表現を使って相手に心構えをして聞いてもらう方法も良いでしょう。
例えば、「一つの意見として聞いてもらいたいんだけど」「少し気になることがあって」という言い方です。
この言い方をすると、いきなり不満を伝えられるより驚きも減りますし、柔らかさも出すことができます。
「あの時言えばよかった…」はどうすればいい?
「あの時、言い返せばよかった」ともやもやした経験はありますか?
「後から思い出しても過去には戻れないから意味がない」、「なんで私はあの時言えなかったのか」と自分を責めてしまうかもしれませんが、後からにせよ自分を守るために怒りの感情がわいてきたのですから素晴らしいことです。
伝えることができるならば、思い出した怒りは時間がたってしまっても相手に伝えてよいのです。
「あの時実はこう思っていたんだ」と伝えることで自分の気持ちがすっきりします。
他にも、自分が嫌だったことをノートに書くことで自分が嫌なことに気づくことができます。
次回からはなるべく早く怒りを伝えることができるかもしれませんね。
まとめ
怒ることは悪いことではありません。
ただ、怒り方には注意点があります。
冷静に、主語を自分にして、相手の意見をきいて怒ることがポイントです!
怒るのが苦手な方も、上記のポイントを押さえて自分を守るために少しずつ怒っていきましょう。